酌人しゃくにん)” の例文
客は酌人しゃくにん美姫びきへ手をふった。赤ら顔は酒のせいばかりではない。肥っていてよく光る皮膚にボツボツと黒い脂肪がにじみ出している。
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
欲には酌人しゃくにんがちと無意気ぶいきと思いがおに、しかし愉快らしく、さいのおすみの顔じろりと見て、まず三四杯かたぶくるところに、おんなて来し新聞の号外ランプの光にてらし見つ。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
所が君、お酌人しゃくにんの中に——
片恋 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
「おらんはずはないわ。酌人しゃくにんが見えいでは、酒には及ばぬと、お客様はおっしゃるではないか。はよう捜してうっ」
宮本武蔵:02 地の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ふいに、秀吉は杯を下におき、そして酌人しゃくにんを置き残したまま、台所の方へ歩いて行った。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
酌人しゃくにんは、寧子へ取り次ぐ。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
酌人しゃくにんの悦之進と与平が
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)