“那辺”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
なへん84.6%
あすこ3.8%
いづれ3.8%
そこら3.8%
どちら3.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
こいねがわくは筆者の窮極の主張の那辺なへんにあるかを誤解せられざらんがため、これを最後まで読み続けられんことを切望する。
貧乏物語 (新字新仮名) / 河上肇(著)
那辺あすこには頭に鬼の入るだけの空地あきちつた学者がちよつと居る筈だから。
同業者は彼の那辺いづれにか金穴きんけつあるを疑はざれども、その果して誰なるやを知る者絶えてあらざるなりき。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
あへて恋しとにはあらねど、苦しげにやつれたる宮が面影おもかげの幻は、かしらめぐれる一蚊ひとつかの声の去らざらんやうに襲ひ来て、彼が切なる哀訴も従ひて憶出おもひいでらるれば、なほ往きかねて那辺そこらに忍ばずやと
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
「いいえ、貴方、那裡あちらのお客様が急ぐと有仰おつしやつてで御座いますものですから、さう申上げに参つたので御座いますが、それぢやまあ、那辺どちらへいらつしやいましたらう!」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)