“遺趾”の読み方と例文
読み方割合
いし100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
〔パリのジャコバン倶楽部の遺趾いしに建てらるべき市場の門扉にしるすために作られた四行詩〕
落穴と振子 (新字新仮名) / エドガー・アラン・ポー(著)
従者ヲシテ古関ノ遺趾いしヲ問ハシムルニ、曰ク今ノ路ハ中古開ク所、曩者さきに能因のういんガ詠ゼシ所ノ白河ノ関ハ左方ノ山頂ニアリ。寺アリテ観音ヲ奉ズ。俗呼ンデ関ノ観音トイフハ即ソノ故趾ナリト。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
見わたすとそのあたりはいちめんに鬱蒼うっそうとした森がいしげりそれがずうっと神社のうしろの方までつづいているのでその森のある広い面積のぜんたいが離宮の遺趾いしであることが明かに指摘できるのであった。
蘆刈 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)