造化ぞうか)” の例文
ちはやぶる神の昔、大山おおやまつみのなせるわざにや。造化ぞうか天工てんこう、いずれの人か筆をふることばを尽さん、云々うんぬん
惜別 (新字新仮名) / 太宰治(著)
はたしてそういうパグのような情熱が潜んでいるのだろうか? と私は何か造化ぞうかの秘密でも覗くような気持がして面白く感じたのであったが、それもその瞬間そう感じただけで
陰獣トリステサ (新字新仮名) / 橘外男(著)
生命いのちは愛なれば愛するもののせしは余自身の失せしなり、この完全最美なる造化ぞうか、その幾回いくたびとなく余の心をして絶大無限の思想界に逍遙せしめし千万の不滅燈ふめつとうを以て照されたる蒼穹あおぞら
基督信徒のなぐさめ (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
平次はこの造化ぞうかの傑作を台無しにした冒涜ぼうとく的な男の、ニキビだらけな顔を憎々しく見やりました。まだ二十二三でしょう。魯鈍ろどんで脂切って、何ともいいようのない不気味なところのある若者です。
造化ぞうかの神よ、現世の神よ