逆睹ぎゃくと)” の例文
ましてや、武田たけだ四郎勝頼、伊那丸いなまるの父である。事実、天目山てんもくざん討死うちじにしていなかったとすれば、天下の風雲、さらに逆睹ぎゃくとすべからざることになる。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いや彼が稀世の怪物なら、時雲のうごきも一寸さきが逆睹ぎゃくとできない怪雲であるから、彼自身にさえ、ほんとの腹は固まってないのかもしれなかった。
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
まだ未来にどれ程な艱苦迫害かんくはくがいが待ちもうけているかは逆睹ぎゃくとしがたいが、その決定だけでも話してやったら、さだめし万吉喜ぶだろう、耳に入れてやりたいのは山々で
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「しかし勝敗は逆睹ぎゃくとできません。また一気に勝負もつけかねますよ。這奴しゃつらは逃げるだんになれば、水を渡ってあの蕭々しょうしょうたるあしの彼方へ隠れこんでしまうでしょうから」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
恵性えしょう(泰家)どののお身に万一あらすな。お怪我なきよう、ともあれ先に川向うまでお連れ申せ。危険だ。わからぬ。逆睹ぎゃくとしがたい形になった。決戦はわれらの手でする」
私本太平記:08 新田帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
を見くらべて、朝に就き、夕べに去り、ほとんど、逆睹ぎゃくとがたいものがあった。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)