“躄”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いざり55.3%
いざ27.7%
ゐざり4.3%
あしなえ4.3%
びっこ4.3%
あしなへ2.1%
すく2.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
二部興行で、昼の部は忠信ただのぶ道行みちゆきいざりの仇討、鳥辺山とりべやま心中、夜の部は信長記しんちょうき浪華なにわ春雨はるさめ双面ふたおもてという番組も大きく貼り出してある。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
和尚がいざりながら雨戸を開けて「何事か」と声をかけると、文作は「ウーン」と云うなり霜の降ったお庭へ引っくり返ってしまった。
いなか、の、じけん (新字新仮名) / 夢野久作(著)
もう訊くことはないのか、——何? ゐざりの乞食が五年前深川へ來たのを、土地の人が十年も前から居るやうに思つてゐるわけか、——何んでもない事さ。
その娘二人の位牌いはいがある。絶世の美人だったが姉妹ともあしなえだった。権之丞は、構内奥深く別構へを作り、ひそかに姉妹をここに隠して朝夕あわれな娘たちの身の上を果敢はかなみに訪れた。
雛妓 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
びっこだと思った乞食こじきが雨が降って来ると下駄を持って駈出かけだしやす、世間にはいくらもある手だから、これも矢張やっぱり其の伝でしょう、お止しなせえ/\
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
あしなへになりかかつたのである。其証拠をばわたくしが三年後の詩引中より見出だした。文化十三年の歳首の詩の引に、「丙子元日作、余今年四十、以脚疾不能起坐已三年」
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
すくみ込んで殆ど身動きも得せずに其の死骸の顔を見るに、何れほどか恨めしく睨んだであろうと思われる其の眼は単に大きな穴を留むるのみで、逞しい頬骨が最と悔しげに隆起して居るのも
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)