“踠(も)” の例文
だんだんそういう fatal なものに一種の詮(あきら)めにちかい気もちも持ち出しているにはいるが。しかし、まだまだ踠(も)がけるだけ踠がいてみるよ。
雪の上の足跡 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
庭の隅の鷹小屋から、時折、苦しげな太い呻(うめ)きがながれてくる。それは、お市と兵庫の、六年間の苦しみを、一時に踠(も)がき苦んでいるような呻きだった。
夕顔の門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
実は自分はこの辺に田を少しばかり持って百姓をしている者だが、夕方、野婦之池(のぶのいけ)から鮒(ふな)を網に打って帰って来ると、池尻の川に一頭の牝牛が足を突っこんで踠(も)がいている。
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)