蘭人らんじん)” の例文
ところが、一空さまの語るところによると、この宗庵先生はただの町医ではなく、長崎で蘭人らんじんに接して医学を習得しながら、大いに密輸入をやったらしい。
巷説享保図絵 (新字新仮名) / 林不忘(著)
この博物会というのは、本草学者ほんぞうがくしゃ田村藍水たむららんすい鳩渓きゅうけい平賀源内などが、長崎の蘭人らんじんから伝え聞いた方法で、協力して明和以来すでに十何回を重ねている催しだった。
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ついでながら仏公使の云々うんぬんしたる陸軍の事をしるさんに、徳川の海軍は蘭人らんじんより伝習でんしゅうしたれども、陸軍は仏人に依頼いらいし一切仏式ふっしきを用いていわゆる三兵さんぺいなるものを組織そしきしたり。
およそ銅鉄の腐るはじめは虫が生ずるためで、「さびるくさるはじめさびの中かならず虫あり、肉眼に及ばざるゆゑ」人が知らないのであるが、これは蘭人らんじんの説であるという説明があって
語呂の論理 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
買い取る者は、長崎の蘭人らんじんの他にはない
生死卍巴 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)