蘆笛あしぶえ)” の例文
エイリルはむかしケリルがエマルを取り返した時に吹いた蘆笛あしぶえをとり出してケリルの上に老年を吹いた。ケリルは髪もしろくなってにれの葉のようにかれがれになった。
約束 (新字新仮名) / フィオナ・マクラウド(著)
不思議にも、その偉大さとその滑稽こっけいさとは親しく隣合い、その威厳はその戯言ざれごとから少しも乱さるることなく、同じ一つの口が、今日は最後の審判のラッパを吹き、明日は蘆笛あしぶえを吹き得るのである。
車のとどろき、海のような足音、街路の聞きれた叫声、陶器修理者のおどけた蘆笛あしぶえの遠音、舗石の上をたたいてる土工の金槌かなづちの音、噴水の気高い音楽——すべてパリーの夢の熱っぽい金色の外皮……。
蘆笛あしぶえくだした
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)