葭原よしわら)” の例文
其の頃葭葦よしあしえて居たのを埋立うめたったから葭原よしわらというのだが、後に江戸繁昌を祝してよしの字を書いて、吉原と読ませるんだという事を聞いてるが
今、どしどし家を建てている町中の、葭原よしわらという沼地を、何十町歩と、私たちのために、おかみから下さいました。
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
よしえているような土地を埋めたてたりして、葭原よしわらというくるわが出来、住吉町すみよしちょう浪花町なにわちょうなどと、出身地の地名をかたどった盛り場となり、その近くへ芝居小屋が建築されたそれが
朱絃舎浜子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
「近頃、たいへんな人出だそうだな、葭原よしわらとやらは。……お前たちは皆、明るいのだろう。誰か今夜案内せぬか」
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
葭原よしわらをまだ見ねえんですか。そいつあ一度は行って見なくちゃいけねえ。手前がお供をしてもいいが何しろ死人が一人出来ちまって、そいつの始末をしてやらなけれやなりませんから——」
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)