もえ)” の例文
四月にいたれば田圃たはたの雪もまだらにきえて、去年秋の彼岸ひがんまきたる野菜やさいのるゐ雪の下にもえいで、梅は盛をすぐし桃桜は夏を春とす。
枳殻からたちの垣が黒ずんだ枝の上に、もえるような芽を吹いていたり、柘榴ざくろの枯れた幹から、つやつやしい茶褐色の葉が、柔らかそうに日光を映していたりするのが、道々私の眼を引き付けた。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
日にけに雜木ざふきもえのかがやけば身はかいだるし胚芽米食ふ
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
四月にいたれば田圃たはたの雪もまだらにきえて、去年秋の彼岸ひがんまきたる野菜やさいのるゐ雪の下にもえいで、梅は盛をすぐし桃桜は夏を春とす。
日にけに雑木ざふきもえのかがやけば身はかいだるし胚芽米食ふ
白南風 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
かゝる雪中なれども夏のまうけまきたる野菜やさいのるゐも雪の下にもえいでゝ、その用をなす㕝おそきとはやきのたがひはあれども暖国だんこくにかはる㕝なし。
棚にして見のすがしきは雨あとの通草あけびが綴る蔓の葉のもえ
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
かゝる雪中なれども夏のまうけまきたる野菜やさいのるゐも雪の下にもえいでゝ、その用をなす㕝おそきとはやきのたがひはあれども暖国だんこくにかはる㕝なし。
棚にして見のすがしきは雨あとの通草あけびが綴る蔓の葉のもえ
白南風 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)