茶事ちゃじ)” の例文
それは俘虜ふりょの中から、陶工をつれて帰れということでありました。秀吉は武人でありましたがなかなかの風流人ふうりゅうじんで、ことのほか茶事ちゃじに熱心でありました。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
もう七十ぢかい老母であったが、茶事ちゃじの作法が身についていて、自然な身ごなしや、細やかに動く指の先や、すべての振舞いが、いかにも女らしく、優しく、そして美しかった。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
寛永元年五月安南船あんなんせん長崎に到着候節、当時松向寺殿は御薙髪ごていはつ遊ばされそろてより三年目なりしが、御茶事ちゃじ御用おんもちいなされそろ珍らしき品買求め候様おおせ含められ、相役あいやくと両人にて、長崎へ出向き候。
貞子夫人の姉たき子は紳商益田孝ますだたかし男爵の側室である。益田氏と山県氏とは単に茶事ちゃじばかりの朋友ともではない。その関係を知っているものは、彼女たち姉妹のことを、もちつもたれつの仲であるといった。
明治美人伝 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
東山殿が茶事ちゃじ数寄すきとなえられてから、その余風が、いつか民間にも移っていた。
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
見事なお手前は決して茶事ちゃじのみではありませぬ。
益子の絵土瓶 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
飛鳥あすか、奈良朝あたりの仏教美術から近頃わけて流行の茶事ちゃじを評し、一転して、笛、蹴鞠けまりのこと、また食味や旅のはなしなどにまでくだけて、夜に入るも知らなかったが、やがてともしを見ると
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
元より茶事ちゃじというのは表向きだけに過ぎない。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)