芋焼餅いもやきもち)” の例文
とうさんの田舍ゐなかではさむくなると毎朝まいあさ芋焼餅いもやきもちといふものをいて、あさだけ御飯ごはんのかはりにべました。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
土地の習慣として焼たての芋焼餅いもやきもちに大根おろしを添えて、その息の出るやつをフウフウ言って食い、夜に成れば顔のほてるような火をいて、百姓のじじ草履ぞうりを作りながら
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
そういうお民から半蔵はかさを受け取った。下男の佐吉は主人らの荷物のほかに、その朝の囲炉裏で焼いた芋焼餅いもやきもちを背中に背負しょった。一同したくができた。そこで出かけた。
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
本陣とは言っても、吉左衛門の家の生活は質素で、芋焼餅いもやきもちなぞを冬の朝の代用食とした。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
蕎麦粉そばこ里芋さといもの子で造る芋焼餅いもやきもちなぞを数えて見せるのも、この婆さんであるから。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「どれ、芋焼餅いもやきもちでも出さずか。」
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)