船底せんてい)” の例文
「あ、海野さん。海戦が始まりかかっています。相当大きな音がしますから、貴下あなた船底せんていへいかれた方がよいと思います」
沈没男 (新字新仮名) / 海野十三(著)
浮力の加減で船底せんていにハリツイていた喜三郎の屍体は、そのまま連れ出されて外海そとうみへ漂流する訳だ。
カンカン虫殺人事件 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
ながむれば一せき海賊船かいぞくせん轟然ごうぜんたるひゞき諸共もろともに、船底せんてい微塵みぢんくだけ、潮煙てうゑんんで千尋ちひろ波底はていしづつた、つゞいておこ大紛擾だいふんじやう一艘いつそう船尾せんび逆立さかだ船頭せんとうしづんで、惡魔印あくまじるし海賊旗かいぞくきは、二度にど三度さんど
するすると船は進んだ、とつぜんかすかな音を船底せんていに感じた。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)