“舟縁”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ふなべり90.0%
ふなべ10.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
舟が静に水の上を滑った時、女は舟縁ふなべりから白い手を出して冷たい水の面を指先で掻いている、そして男の方へ向ってそっと微笑んだ。
湖水と彼等 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
それもきわめて古風な舟で、舟縁ふなべりに彫刻が施してある。真鍮しんちゅうの金具、青羅紗の薄縁うすべり、やはり非常に独創的である。薬草道人の使用舟であろう。
任侠二刀流 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
彼女は片手を兄のひざせ、片手でしっかりと舟縁ふなべりを掴んでいた。風に乱された彼女の髪が、兄の没表情な頬の上に散りかかってゆく。
青草 (新字新仮名) / 十一谷義三郎(著)