腰簑こしみの)” の例文
かたわらの方に山菅やますげで作った腰簑こしみのに、谷地草やちぐさで編んだ山岡頭巾やまおかずきんほうり出してあって、くすぶった薬鑵と茶碗が二つと弁当が投げ出してあるを見て
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
そこには潮風に枝葉を吹きたわめられた磯馴松そなれまつ種種しゅじゅ恰好かっこうをして生えておりました。その中のある松の下には、海の水を入れた塩汲桶しおくみおけを傍にえて、腰簑こしみのをつけた二人の奴隷が休んでおりました。
宇賀長者物語 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
北西離島のものは、皆、佛桑華や印度素馨の花輪を頭に付け、額と頬に朱黄色の顏料タイクを塗り、手頸足頸腕等に椰子の若芽を捲き付け、同じく椰子の若芽で作つた腰簑こしみのを搖すぶりながら踊るのである。
櫓を組みかけた工事場では、縄を腰簑こしみののように垂らした人夫が丸太棒の上からゾロリゾロリと下りてくるのが見られた。かたわらつながれた馬はながえを外されて、人家の軒の方に連れてゆかれようとしている。
(新字新仮名) / 海野十三(著)
北西離島のものは、皆、仏桑華ぶっそうげ印度素馨インドそけいの花輪を頭に付け、額と頬に朱黄色の顔料タイクを塗り、手頸足頸腕などに椰子ヤシの若芽をき付け、同じく椰子の若芽で作った腰簑こしみのを揺すぶりながら踊るのである。