“脳裏”の読み方と例文
旧字:腦裏
読み方割合
のうり100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
もし彼の脳裏のうりに一点の趣味をちょうし得たならば、彼はく所に同化して、行屎走尿こうしそうにょうの際にも、完全たる芸術家として存在し得るだろう。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
暗闇のなかにある自分の姿が、あまりにありありと脳裏のうりに描きだされる。武士と見えたならば、腰にある刀のおかげでしかなかろう。
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
だから妾は、幼い日の故郷の印象を脳裏のうりにかすかに刻んでいるだけで、あの夢幻的な舞台がこの日本国中のどこにあるのやら知らないのであった。
三人の双生児 (新字新仮名) / 海野十三(著)