“脂下”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
やにさが79.2%
やにさ20.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
緑雨は恐らく最後のシャレの吐きえをしたのを満足して、眼と唇辺くちもとに会心の“Sneer”をうかべて苔下にニヤリと脂下やにさがったろう。
斎藤緑雨 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
無事是貴人ぶじこれきにんとかとなえて、懐手ふところでをして座布団ざぶとんから腐れかかった尻を離さざるをもって旦那の名誉と脂下やにさがって暮したのは覚えているはずだ。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
自分の手柄に脂下やにさがる万七に案内されて、ともかくも、引取手もなく、むしろを掛けたままにしてある二人の死骸を見ました。
西門慶は「その道にかけての俺を今知ったか」といわぬばかりに、ヘラヘラ脂下やにさがった顔してその日は戻って行った。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)