背負子しよひこ)” の例文
自分がいとまを告げて出たらお秋さんは背負子しよひこを負うて坂の中途まで行つて居た。坂を登らうとする時白は追ひ返されて降りて來た。自分は忽ちに追ひついた。
炭焼のむすめ (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
谷底へついて見ると紐のちぎれさうな脚袢きやはんを穿いた若者が炭竈すみがまの側でかしの大きなほたくさびを打ち込んで割つて居るのであつた。お秋さんが背負子しよひこといふもので榾を背負つてれた谷の窪みを降りて來た。
炭焼のむすめ (旧字旧仮名) / 長塚節(著)