職務つとめ)” の例文
獄卒らうもり捕吏とりてとは、維新前まで、先祖代々の職務つとめであつて、父はその監督の報酬むくいとして、租税を免ぜられた上、別に俸米ふちをあてがはれた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
さて我はボナヴェントゥラ・ダ・バーニオレジオの生命いのちなり、大いなる職務つとめを果さんためわれ常に世の心勞こゝろづかひあとにせり 一二七—一二九
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
然し彼は資性篤実で又能く物にえ得る人物であったから、この苦悩の為めに校長の職務つとめを怠るようなことはない。
富岡先生 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
「話に気をとられて、寒いことを忘れるからよ。私こう思うのよ。心の職務つとめは、身体が可哀そうな状態にある時、何かほかへ気を向けさせるようにすることだと。」
人各〻世に住むさまを異にし異なる職務つとめをなすにあらずして市民たることを得るや、汝等の師のしるす所正しくばしからず。 一一八—一二〇
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
そこには同じ大理石の上に、かの聖なるはこを曳きゐたる事と牛ときざまれき(人この事によりてゆだねられざる職務つとめを恐る)
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
乃ちかねを受けておだやかに(これ彼の言なり)彼等を放てるなり、またそのほかの職務つとめにおいても汚吏の小さき者ならでいと大なる者なりき 八五—八七
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
げに汝が汝のおぼゆる時の間に律法おきてぜに職務つとめ習俗ならはしを變へ民を新たにせること幾度いくたびぞや 一四五—一四七
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)