繙読はんどく)” の例文
かの『国法汎論』『仏蘭西法律書』の類は『西洋事情』のごとく俗間に行なわれざるも識者の間には一時大いに繙読はんどくせられたり。
近時政論考 (新字新仮名) / 陸羯南(著)
『太平記』の繙読はんどく藤原藤房ふじわらのふじふさの生涯について景仰けいこうの念を起させたに過ぎない。わたくしはそもそもかくの如き観念をいずこから学び得たのであろうか。
西瓜 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
我輩の平生人に向って語り来ったところのものはこれであるが、この頃英人カアンペンター氏の著書『愛と詩』を繙読はんどくするに最もこの意味を力説している。
現代の婦人に告ぐ (新字新仮名) / 大隈重信(著)
しているのか、聞けば六十余日になる今日までろくろく書類もあらためず、ただ書庫へ入って御家譜の繙読はんどくのみいたしておるそうだが、——埋蔵金の記録でも捜出そうと云うのか
入婿十万両 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
旧社分散シ索居さっきょノ嘆ナキあたハズ。たちまち書ヲかたじけなくシ、大集ノ刪定さんていしょくセラル。忙手繙読はんどくスルニ一堂ノ上ニ相会晤かいごスルガ如シ。楽ことニ甚シ。すなわち一夕ニシテ業ヲフ。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)