系圖けいづ)” の例文
新字:系図
私の手から父河村靱負ゆきへの形見——短刀と系圖けいづを奪ひ取つて、それを證據に勇太郎樣を追ひ出さうとして居るのは我慢がなりません
それも其筈そのはずむかしをくれば系圖けいづまきのことながけれど、徳川とくがはながすゑつかたなみまだたぬ江戸時代えどじだいに、御用ごようそば取次とりつぎ長銘ながめいうつて、せきを八まん上坐じやうざめし青柳右京あをやぎうきやう三世さんぜまご
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「あわてるな、八、そいつは素人料簡だ。系圖けいづを背中に彫物にしたところで、それを上樣うへさまのお目にかけるわけに行くまい」
「その系圖けいづを搜し出して、龍之口に訴へ出ると、いづれ詮議の上、お孃さんのお配偶つれあひは、少くとも御旗本御家人に取立てられ、祖先のお手柄で、お孃樣の立身出世にもなる譯ですが」
「あの男ですよ、——あつしに系圖けいづさがしを頼んだのは」