米利堅粉めりけんこ)” の例文
名古屋の饂飩が美味しいというのもあの辺の小麦粉が良いのだそうです。宅では折々米利堅粉めりけんこで饂飩を打ちますが色が白くって綺麗きれいでございます。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
すると、その途端、今まで隣の大男の影になつてゐた白髪しらが頭がふと眼についた。白髪しらが白髪しらが米利堅粉めりけんこをふり撒いたやうな白髪しらがで、顔は蟹のやうにあかかつた。
本式にすれば水一杯と牛乳一杯とクリーム一杯とを鍋の中で沸かして塩と胡椒こしょうとバターとを入れて米利堅粉めりけんこを水で溶いてそれへ入れてかけ汁をこしらえる。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
そこへ米利堅粉めりけんこの粉袋のやうな、真つ白な頭がぬつと入つて来て、後からじつと書物を覗き込んでゐたが、暫くすると、三土氏の肩越しに長い手を出して、書物の表紙をめくつた。
薬臭いような匂いのあるのはイーストを入れ過ぎるためですし、黴臭かびくさいようなのは米利堅粉めりけんこの湿気を受けたのです。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
玉子の泡がそれほどに固くなったら米利堅粉めりけんこの代りに小麦粉うどんこの上等を細かいふるいでふるわなければいけません。篩わないとダマが出来てよく混ざりません。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
三十分ほど煮て球葱たまねぎかあるいは白葱を加え塩と胡椒とバターにて味をつけ、また三十分ほど煮て葡萄酒を少し加え、米利堅粉めりけんこを溶き込みてその汁を濃くす。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
さて食べる前にまた火へかけて葡萄酒ぶどうしゅを少し加えて赤茄子あかなすのソースをぜて米利堅粉めりけんこでその汁を濃くするのですが略式にすれば加える物をへらしても構いません。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
それは米利堅粉めりけんこがなければやっぱり饂飩粉うどんこで構いません。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)