笹穂ささほ)” の例文
旧字:笹穗
蝋色柄ろういろえ笹穂ささほの刃渡り八寸の短槍を手渡すと、作左衛門は莞爾かんじと受け取って、ぽんとさやを払い捨てるや右脇に引ッ抱えて
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
米友が懐中から取り出した笹穂ささほは先生自身の工夫で、忽ちそれを杖の先に取りつけて、その穂を左のてのひらで握って下へさげ、石突いしづきをグッと上げて逆七三の構え
それは三尺ほどのを残した、笹穂ささほの手槍の折れ。
そして、自分が先に来過ぎたかと——西門をくぐって境内のほうをのぞきこんだ。真っ暗な門の陰からピラと魚に似た光が走った。大型な笹穂ささほの槍であった。無意識に——
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
天野刑部あまのぎょうぶの声にこたえた伴作ばんさくは、笹穂ささほやりをヒラリと返して、一ぽうへ加勢にむかった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
さッと下から笹穂ささほやりを突きあげた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)