積込つみこ)” の例文
「急には雇えません。二十四時間以内の積込つみこみですからね。明日あしたになら合うかも知れませんが……みんなモウ……ヘトヘトなんで……」
難船小僧 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
その上、漢語ばかりでなく、オランダ語を話す通辞つうじさえいないので、薪水しんすい積込つみこみの応答にさえ困っているということであった。
船医の立場 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
廊下にとも金行灯かなあんどん二尺にしゃく四方もある鉄網てつあみ作りの行灯を何十台も作り、そのほか提灯ちょうちん手燭てしょく、ボンボリ、蝋燭ろうそく等に至るまで一切取揃とりそろえて船に積込つみこんだその趣向は
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
巨額きよがく金銀貨きんぎんくわ積込つみこみもをはると、わたくし武村兵曹たけむらへいそうとは身輕みがる旅裝たびじたくとゝのへて搖籃ゆれかごなかへと乘込のりこんだ。
時を移さず瓦斯がす弾を積込つみこみ、決死の同志十名と共に、短艇は波を蹴って流血船へ向った。
流血船西へ行く (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
横浜はま積込つみこんだ時の苦労を逆に繰返して、飛んでもない遠方から掘り出すようにしいしい、機関室へ拾い集めるのであったが、その作業を初めると間もなく
難船小僧 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
少女の写真それから布哇で石炭を積込つみこんで出帆した。その時に一寸ちょいした事だが奇談がある。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
横浜で印度インド綿花と南洋材を全部上げてしまうと、今度は晩香坡行バンクーバゆきの木綿類を吃水きっすい一パイに積込つみこむ。
難船小僧 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
如何どうしたかと云うと、淀川よどがわの一番粗末な船を借りて、船頭を一人ひとり雇うて、その船に例のかめ七輪しちりん積込つみこんで、船中で今の通りの臭い仕事をるはいが、矢張やっぱり煙がたって風が吹くと
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)