稽古屋けいこや)” の例文
お庄は体の大きい叔母と膝を突き合わして、湯島の稽古屋けいこやかじったことのある夕立の雨や春景色などを時々一緒にうたった。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
近所に稽古屋けいこやがあるに相違なかった。女のの黄いろい声とお師匠さんの枯れた声とが、もつれ合って聞こえてきていた。お高は、そっと店の前へまわろうとした。
巷説享保図絵 (新字新仮名) / 林不忘(著)
当時会津あいづを主とする佐幕の諸藩と薩長さっちょう以下勤王諸藩の軋轢あつれきは、女師匠の稽古屋けいこやに若衆の入り込むていを借り、あるひは五月幟ごがつのぼりもとに子供が戦遊いくさあそびをなすていに倣ひて最も痛快辛辣しんらつに諷刺せられき。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)