租税そぜい)” の例文
これは英領でその租税そぜいは皆英領インド政府に納まるんです。だがその人は大抵ネパール人が多い。またその間にはシッキム人もある。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
そしてこれからは、租税そぜい地子銭じしせんも軽くする。大いに善政もく。だから市民は安心して、常のとおり家業に励めと、高札こうさつに令しておられるではないか
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
これではいたるところ、人民たちがいて食べる物がないほど貧窮ひんきゅうしているらしい。どうかこれから三年の間は、しもじもから、いっさい租税そぜいをとるな。
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
あるいは何々しゃくにして市内市外に許多あまた高甍こうぼう宏閣こうかくかまえている人よりも以上の租税そぜいを払っている例すらある。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
村役人が租税そぜいを催促に行って、なにか彼の感情を害すようなことを言ったので、程はあざむいてかの薬を飲ませると、役人は帰る途中から俄かに頭が痛んで血をいた。
出水のうれいが無い此村も、雹の賜物たまものは折々受けねばならぬ。村の天に納める租税そぜいである。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
国民の最大多数の食事を制限している高率の租税そぜい費途ひとなども目撃している。
その華族に対しては自分が土地をその華族から貸して貰って居ることになって居るですから、その租税そぜいを納めなくてはならん。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
天皇はそれをご覧になって、みなの者も、もうすっかりゆたかになったとおっしゃって、ようやくご安心なさいました。そして、そこではじめて租税そぜい夫役ふえきをおおせつけになりました。
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
まるるときは産婆さんばに手数料を払い、死すときは葬儀屋そうぎや桶代おけだいを払い、死後遺産いさんゆずれば租税そぜいを払う、何ものか払わでまさるべきものかある。ただ自然の美のみはあたいなしに得らるる恩恵おんけいである。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
兵革に苦しんでいる民の租税そぜいをかろくすること。
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
徴税以外の職務 チベットの大蔵省はただ租税そぜいを取扱うばかりでない。寄付金または喜捨きしゃの金品も取扱うです。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)