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ひおう
ふりがな文庫
“
秘奥
(
ひおう
)” の例文
「草に寝、石を枕にし、山々谷々、悪獣毒蛇をものともせず、ただ剣の道の
秘奥
(
ひおう
)
をさぐるために、わしを求めて遍歴するだろう」
似而非物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
然
(
しか
)
るに最も多く人世を観じ、最も多く人世の
秘奥
(
ひおう
)
を
究
(
きわ
)
むるという詩人なる怪物の最も多く恋愛に
罪業
(
ざいごう
)
を作るは
抑
(
そもそ
)
も
如何
(
いか
)
なる理ぞ
桜の実の熟する時
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
法外流居合の
秘奥
(
ひおう
)
「駕籠飾り」——その刀を刺した駕籠が何十本となく、光る
笄
(
かんざし
)
で飾られた女の髪のように見えるところから来た、名称だった。
煩悩秘文書
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
そのなかで、高く着物を押さえた女たちが、
卓子
(
テーブル
)
から卓子へ移って
秘奥
(
ひおう
)
をつくし、男たちはすべて、誰もかれも無関心らしく
頬杖
(
ほおづえ
)
なんか突いていた。
踊る地平線:06 ノウトルダムの妖怪
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
彼は非常に骨折って、はっきりと個々の事柄を少しずつ聞き出した。そして、ブラウンのごく軽率な好人物的性質のおかげで、その生活の
秘奥
(
ひおう
)
を
垣間
(
かいま
)
見ることができた。
ジャン・クリストフ:11 第九巻 燃ゆる荊
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
▼ もっと見る
Kama Sutra や Ananga Ranga にでてくるような、
閨技
(
けいぎ
)
の
秘奥
(
ひおう
)
や交合の姿態などを細密に説いて、
旦那
(
マスター
)
がたをよろこばせ、若い夫人たちの顔を
赫
(
あか
)
くするのを
ヤトラカン・サミ博士の椅子
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
唯識論
(
ゆいしきろん
)
とか、百法問答
鈔
(
しょう
)
とかいう難解なものすら、十二歳のころに上げてしまったし、十五歳の時には、
明禅法印
(
めいぜんほういん
)
から、
密法
(
みっぽう
)
の
秘奥
(
ひおう
)
をうけて、かつて、慈円僧正が
大戒
(
だいかい
)
を授けた破例を
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
馬券の奥堂に参ずるは、なお剣、棋の
秘奥
(
ひおう
)
を修めんとするが如く至難である。
我が馬券哲学
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
つまり行より心ができて剣意の
秘奥
(
ひおう
)
にかなわなければ、手裏剣を投じて一家をなすことは不可能なのだ。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
彼はその
眼瞼
(
まぶた
)
を開いて、その下に隠れてる思想を、人からも知られずまたおそらくみずからも知らないで去っていったこの魂の
秘奥
(
ひおう
)
を、どんなにか読み取りたかった! しかしこの魂自身は
ジャン・クリストフ:06 第四巻 反抗
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
しかし、その後には、
権律師胤舜
(
ごんりつしいんしゅん
)
どのが、宝蔵院流の
秘奥
(
ひおう
)
をうけ、二代目の
後嗣
(
こうし
)
として、今もさかんに槍術を
研鑽
(
けんさん
)
して、多くの門下を養い、また
訪
(
と
)
う者は
拒
(
こば
)
まずご教導も下さるとか伺いましたが
宮本武蔵:03 水の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
きょうの若松屋惣七は、むかし星影一刀流に落葉返しの構えを作り出したように、金銭の取り引きに、彼独特の一つの
秘奥
(
ひおう
)
を編み出している。悟りをひらいている。
巷説享保図絵
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
かれはその得意とする大
業物
(
わざもの
)
を打つに当たって、みずから半生を費やして編み出した血涙の結晶たる
大沸
(
おおわかし
)
小沸
(
こわかし
)
ならびに
刃
(
やいば
)
渡しという水火両態の
秘奥
(
ひおう
)
を、ひそかに用いたのだった。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
秘
常用漢字
小6
部首:⽲
10画
奥
常用漢字
中学
部首:⼤
12画
“秘”で始まる語句
秘
秘密
秘訣
秘蔵
秘事
秘伝
秘鑰
秘帖
秘術
秘法