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硝子戸越
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ガラスどごし
ふりがな文庫
“
硝子戸越
(
ガラスどごし
)” の例文
中野君は
富裕
(
ふゆう
)
な名門に生れて、暖かい家庭に育ったほか、浮世の雨風は、
炬燵
(
こたつ
)
へあたって、
椽側
(
えんがわ
)
の
硝子戸越
(
ガラスどごし
)
に
眺
(
なが
)
めたばかりである。
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
鮨
(
すし
)
の
香気
(
かおり
)
が
芬
(
ぷん
)
として、あるが中に、
硝子戸越
(
ガラスどごし
)
の
紅
(
くれない
)
は、住吉の浦の鯛、淡路島の
蝦
(
えび
)
であろう。市場の人の紺足袋に、はらはらと散った青い菜は、皆天王寺の
蕪
(
かぶら
)
と見た。
南地心中
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
眼が
覚
(
さ
)
めたら、
昨夜
(
ゆうべ
)
抱
(
だ
)
いて寝た
懐炉
(
かいろ
)
が腹の上で冷たくなっていた。
硝子戸越
(
ガラスどごし
)
に、
廂
(
ひさし
)
の外を眺めると、重い空が幅三尺ほど
鉛
(
なまり
)
のように見えた。胃の痛みはだいぶ
除
(
と
)
れたらしい。
永日小品
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
約束の女が私の座敷へ来て、
座蒲団
(
ざぶとん
)
の上に坐ったのはそれから間もなくであった。
佗
(
わ
)
びしい雨が今にも降り出しそうな暗い空を、
硝子戸越
(
ガラスどごし
)
に眺めながら、私は女にこんな話をした。——
硝子戸の中
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
硝
常用漢字
中学
部首:⽯
12画
子
常用漢字
小1
部首:⼦
3画
戸
常用漢字
小2
部首:⼾
4画
越
常用漢字
中学
部首:⾛
12画
“硝子戸”で始まる語句
硝子戸
硝子戸棚
硝子戸入