“眼近”の読み方と例文
読み方割合
まぢか100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
城戸にった真っ黒な人影の中でガチャガチャと矢つがえの音が起った。いや、その弓弦ゆづるを充分に引くひまなどはもとよりない。眼近まぢかな相手の群れではある。
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
眼近まぢか相対あいたいする伊豆東海岸の各地から、相州そうしゅう足柄下郡あしがらしもぐんの浦々にかけて、祭にこの弥勒歌を踊ったという例が多く、しかも歌のことばは一様に、かえって大島のものよりは古風なのである。
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
尼子氏などの治乱興亡の戦語いくさがたりを、炉ばたに寄れば、見たこと聞いたこと、幼い者にして聞かせたことであろうし、若い者は、すぐ眼近まぢかにあった、高松城の水攻めの陣だの、その年の本能寺の変だの
随筆 宮本武蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)