眞矢ほんや)” の例文
新字:真矢
味噌汁に石見銀山を入れたつて、誰の口に入るか、確かに解る筈もなく、障子外から眞矢ほんやを射込んで、命を取ることは六つかしからう
眞矢ほんやが一本、彌太郎の玩具にされて居たとわかると、平次は八五郎を母屋に走らせて、床の間に立てかけてあつた、弓を一と張取寄せて見ました。
庭から一本の眞矢ほんやが、恐ろしい勢ひで飛んで來て、大黒屋徳右衞門の喉笛をカスめ、危ふいところで殘して、矢は後ろの唐紙へブスリと突つ立つた。
後で調べて見ると、鷹の羽をいだ箆深のぶか眞矢ほんやで、白磨き二寸あまりの矢尻やじりには、松前のアイヌが使ふと言ふ『トリカブト』の毒が塗つてあつたと言ふことです。
千兩箱の山を崩したのをお民と知つて、それをかばつてやつた上、日頃、口やかましくて、不人情で人使ひの荒い上にケチな主人を思ひ知らせる氣で、あの眞矢ほんやの仕掛をした
「早合點をしちやいけません。若旦那が眞矢ほんやを飛ばしたといふわけぢやないんで」
甥の鐵之助は、部屋の隅から、手拭に包んだ眞矢ほんやを一本持つて來て見せました。
「よくあるで、醉つて歸つたところを、井戸へ突き落されたり、味噌汁の中に石見銀山いはみぎんざんが入つて居たり、障子の外から眞矢ほんやで射られて首筋に少しばかりだが怪我をしたり、隨分執こくやる相で」