田舎男いなかおとこ)” の例文
私のかお何処どこ幼顔おさながおて居ると云うそのうちには、私に乳をましてれた仲仕なかし内儀かみさんもあれば、又今度こんど兄の供をして中津から来て居る武八ぶはちと云うごく質朴な田舎男いなかおとこ
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
炉にはよく火が燃えている。これが銀のような毛を乱した婆様でもあると、凄味も百パーセントになるが、こんな普通平凡な田舎男いなかおとこでは、化けっぷりに趣向がなさ過ぎる——
大菩薩峠:37 恐山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)