田舎廻いなかまわ)” の例文
切れもしない刀を抜いては嘔吐へどの出るような見得みえを切って得意になっているのが、田舎廻いなかまわりならとにかく、江戸のまんなかではやっている。
大菩薩峠:23 他生の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
猿爺さんというのは、五年に一度くらいずつ村に廻ってくる、田舎廻いなかまわりの猿使いの爺さんでした。
キンショキショキ (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
それでやはり摸写もしゃをすることにした。もっとも今更蘭竹らんちくから始めて、十年猛勉強をして、やっと田舎廻いなかまわりの安画家の高弟程度の絵が描けるようになったのでも余り面白くない。
南画を描く話 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
こいつは、あながち取的ともいえない、勉強さえすれば十両ぐらいにはなれそうな奴だが、田舎廻いなかまわりのために慢心したのか、最初からキザな奴だ。
大菩薩峠:30 畜生谷の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
田舎廻いなかまわりの政治家などが、いくら語呂の論理をふり廻しても、その害は多寡たかがしれている。しかし責任の地位にある人が、こういう語呂の論理に耳を傾けたら、その影響は恐ろしい。
語呂の論理 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
田舎廻いなかまわりの旅絵師を名乗って来た白雲を、無下に扱うということなく、少しく画談を試みているうちに、所蔵の書画を、それからそれと取り出して見せるのですが、白雲は
大菩薩峠:31 勿来の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「はい——もとは両国にもおりましたが、近頃は田舎廻いなかまわりをしておりました」
大菩薩峠:31 勿来の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
もう田舎廻いなかまわりの彫物師の西行をしても食っていけるぞい、と言われました時から思い立ちました、行くさきざき、何か彫らしてもらっては、草鞋銭わらじせんを下さるところからはいただき、下さらねえ時は
大菩薩峠:31 勿来の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)