生焼なまやき)” の例文
旧字:生燒
ビフテキを出すと生焼なまやきだといって焼き直させる有様ですから如何いかに料理屋の主人が上等の料理を出したくも料理人が味で腕を見せたくも客が承知しません。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
うはいかない、一体いつたいに火がかゝるんだから。金「頭と足のほうはホンガリいてはら生焼なまやきにはなりますまいか。坊「うはいきませぬよ、元膩もとあぶらだから一体いつたいに火がかゝるでな。 ...
黄金餅 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
「妙花園へ行くひまがあれば一ページでも僕の主張をかくがなあ。何だか考えると身体がむずむずするようだ。実際こんなに呑気のんきにして、生焼なまやきのビステッキなどを食っちゃいられないんだ」
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「なぜ? 何もそう悲観する必要はないじゃないか、おおいにやるさ。僕もやる気だ、いっしょにやろう。大に西洋料理でも食って——そらビステキが来た。これでおしまいだよ。君ビステキの生焼なまやきは消化がいいって云うぜ。こいつはどうかな」と中野君は洋刀ナイフ
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)