琉璃るり)” の例文
金銀、硨磲しゃこ瑪瑙めのう琉璃るり閻浮檀金えんぶだごん、の属を挙げて、ことごとく退屈のひとみを見張らして、疲れたる頭を我破がばね起させるために光るのである。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
七宝は、金・銀・瑠璃るり硨磲しゃこ碼碯めのう珊瑚さんご琥珀こはくまたは、金・銀・琉璃るり頗棃はり車渠しゃこ・瑪瑙・金剛こんごうである。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
我心は景色にたれて夢みる如くなりぬ。忽ち海の我前に横はるに逢ひぬ。われは始て海を見つるなり、始て地中海を見つるなり。水は天に連りて一色の琉璃るりをなせり。
ここは四方よもの壁に造付けたる白石の棚に、代々よよの君が美術に志ありてあつめたまひぬる国々のおほ花瓶、かぞふる指いとなきまで並べたるが、の如く白き、琉璃るりの如くあお
文づかひ (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
其蒼天へ向いてすつと延びたもみの木がある。根の生え際が小屋の屋根からではずつと上にあるので猶更に延びて見える。梢で小鳥が啼き出した。美音である。何だと聞いたら爺さんが琉璃るりだといつた。
炭焼のむすめ (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
ここは四方よもの壁に造りつけたる白石のたなに、代々の君が美術に志ありてあつめたまいぬる国々のおお花瓶はながめ、かぞうる指いとなきまで並べたるが、のごとく白き、琉璃るりのごとくあお
文づかい (新字新仮名) / 森鴎外(著)