独言つぶやき)” の例文
旧字:獨言
五十間も隔たる向河岸ながら、手に取るように其独言つぶやきが響くと間もなく、手桶を置いて片手ながら、反対にみよしの縄をぐっと引いた。
死剣と生縄 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
それだから追分おいわけ何時いつでもあわれに感じらるる。つまるところ卑怯ひきょうな、臆病な老人が念仏を唱えるのと大差はないので、を換えて言えば、不残のこらずふしをつけた不平の独言つぶやきである。
三尺角 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)