片山家かたやまが)” の例文
とっかかり草鞋わらじを脱いだのが、本郷元町もとまちにあった間淵の下宿で、「やあ、よく来たね、」は嬉しいけれども、旅にして人のなさけを知る、となると、どうしてもわびしい片山家かたやまがの木賃宿。
雪柳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
片山家かたやまがおそ縁柱えんばしら暗中くらがりに、しにして、もだえてふるうでからは、れた。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
片山家かたやまがの暮れく風情、茅屋かややの低き納戸の障子に灯影ほかげ映る。
夜叉ヶ池 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)