)” の例文
私が梅の実のえて落ちる音を好むのもつまりそれで、その音を聞くと、忽然として閑寂のふところに佗びの心持を味うことが出来るからである。
艸木虫魚 (新字新仮名) / 薄田泣菫(著)
頭をかきむしッたような『パアポロトニク』(わらびたぐい)のみごとなくき、しかもえすぎた葡萄ぶどうめく色を帯びたのが、際限もなくもつれからみつして目前に透かして見られた。
武蔵野 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
かしらをかきむしッたような「パアポロトニク」(蕨の類い)のみごとな茎、しかもえすぎた葡萄めく色を帯びたのが、際限もなくもつれつからみつして、目前に透かして見られた。
あいびき (新字新仮名) / イワン・ツルゲーネフ(著)
衿巻掻除かきのけて彼のでたる鼻はあけに染みて、西洋蕃椒たうがらしえたるに異らず。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
だ鍵盤にうつぶける梅子の横顔を、老女はくとながめ
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
しきえてちたりおのづから
有明集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
えて落ちたるこのみかと、ああよ、空に
有明集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
はむすび、はまたえて
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)