“熟蝦夷”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
にぎえみし66.7%
ニギエゾ33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
近きは熟蝦夷にぎえみし、これは日本に内属し、次は麁蝦夷あらえみしで、最も遠きを都加留つがるというとあって、そのころまでもなお生蕃なる麁蝦夷よりもさらに奥地において
秋田・渟代ぬしろ(能代)の辺はすでに、斉明天皇朝に阿倍比羅夫の遠征によって郡が置かれ、当時津軽の辺にまで、内地化したる熟蝦夷にぎえみしがいたほどであった。
春雪の出羽路の三日 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)
安倍氏清原氏などの所謂熟蝦夷ニギエゾが活躍するばかりで、都加留ツガルなどといふ奥地の純粋の蝦夷の動静に就いては、私たちの教科書には少しも記されてゐなかつた。
津軽 (新字旧仮名) / 太宰治(著)
随行の官人、伊吉連博徳ユキノムラジハカトコ、下問に応じて蝦夷の種類を説いて云はく、類に三種あり近きを熟蝦夷ニギエゾ、次を麁蝦夷アラエゾ、遠きを都加留ツガルと名くと。其他の蝦夷は、おのづから別種として認められしものの如し。
津軽 (新字旧仮名) / 太宰治(著)