熊楠くまくす)” の例文
たしかに、相木熊楠くまくすの頬には、痩せが見えてきた。——今、手枕をかって、楯の上に、うつらうつらと眠っているその顔を月明りに眺めても。
篝火の女 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そう云うと、相木熊楠くまくすは、自身で一頭のこまを曳き出して来て、舟橋のけ板のうえを巧みなひづめの音に躍らせて、忽ち、河彼方かわむこうへ飛ばして行った。
篝火の女 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
肩をゆすぶって、相木熊楠くまくすは笑った。
篝火の女 (新字新仮名) / 吉川英治(著)