焼原やけはら)” の例文
旧字:燒原
後に、そっと、谷の家をのぞきに行った。近づくと胸はとどろいた。が、ただ焼原やけはらであった。
二、三羽――十二、三羽 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
半ばひしゃげたままの藤棚の方から、すくすくとこの屋台をおこして支えた、突支棒つっかいぼう丸太越まるたごしに、三人広縁に立って三方に、この干からびた大沼を見た時は、何だか焼原やけはらの東京が恋しくなった。
甲乙 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)