烏貝からすがい)” の例文
たまさかに参詣の旅人をのせてくる村の人は芝蝦しばえび烏貝からすがいといっしょにこの寒村のつまらぬ名物のひとつとして私の話をするのであろう。
島守 (新字新仮名) / 中勘助(著)
烏貝からすがいの酢味噌で酒を飲み、六十五銭の勘定払って安いもんやなと、カフェ「一番」でビールやフルーツをとり、肩入れをしている女給にふんだんにチップをやると
夫婦善哉 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
日本は四方しほう海に囲まれているから海のさちは利用しつくしているはずだが、たった一つフランスに負けていることがある。それは烏貝からすがいがフランスほど普遍的な食物になっていないことだ。
異国食餌抄 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)