“瀬戸火鉢”の読み方と例文
読み方割合
せとひばち100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
で、華奢造きゃしゃづくりの黄金煙管きんぎせるで、余りれない、覚束おぼつかない手つきして、青磁色せいじいろの手つきの瀬戸火鉢せとひばちを探りながら
伯爵の釵 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
必ず本を持っていって、冬ならば小さな瀬戸火鉢せとひばちを抱え、夏なら団扇うちわを使いながら、本を読み読みてんぷらを喰べ、思いだしては酒をすする、というぐあいであった。
青べか物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
その真上まうえには電灯が煌々くわうくわうと光を放つてゐる。かたはらには瀬戸火鉢せとひばちの鉄瓶が虫の啼くやうにたぎつてゐる。もし夜寒よさむが甚しければ、少し離れた瓦斯煖炉ガスだんろにも赤々と火が動いてゐる。
漱石山房の秋 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)