ぼり)” の例文
東西百五十五間、南北百六間という広さではあるが、一丈ほどの築土堤つきどてと、四方の門と、用心ぼりがあるだけだった。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
一望千里の田野を縫うさいの目のような月水ぼりは、すっぽんとともに優良などじょうを産する。ほかでは見られないまでに、持ち味すばらしく、かつ大量に産し、現に大阪市場にまで持ち込まれている。
一癖あるどじょう (新字新仮名) / 北大路魯山人(著)
を鳴らし、陣鉦じんがねをたたき、数千のかぶと虫が、東国なまりの将に叱咤しったされては、赤坂の丘の下へ向ってまッ黒に駈け、たちまち丘の三方にわたるカラぼりを埋めつくす。
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「では、べつな方へ」と転進すれば、そこでもまた行く手にあたって、カラぼりがあり針金のさくがあり、小道を探ッてみてもソギ竹だらけで歩けもしない大藪おおやぶの闇だとある。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
鳥羽の要津ようしんをひかえ、淀川の流れをひいて、即ち、城ぼりめぐらすの水とし、堺の繁華は眼下に近く、中国、朝鮮、南方諸島に通う無数の交易船をそこに繋ぎ、奈良街道は遠く大和やまと
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
九頭龍川くずりゅうがわの水をひいた外廓の二重ぼりは、容易に寄手の近づくを、ゆるさない。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
千浪は遠くから、神田ぼりの一膳飯屋の軒先を眺めて
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)