渓潭けいたん)” の例文
断層をなした激流の見渡すかぎりは、白波天にみなぎり奔濤ほんとう渓潭けいたんを噛み、岸に立つや否、馬いななき衣は颯々さっさつの霧に濡れた。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その渓潭けいたんの美しさを説かなかつたならば、かれもその妻を谷の中に置いて来てゐるので、昨日きのふ今日の出水しゆつすゐで何処か通れなくなつてゐれば止むを得ないが、さうでなければ
山間の旅舎 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)