“浦里時次郎”の読み方と例文
読み方割合
うらざとときじろう100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
僕は萩寺の門を出ながら、昔は本所ほんじよ猿江さるえにあつた僕の家の菩提寺ぼだいじを思ひ出した。この寺にはなんでも司馬江漢しばかうかん小林平八郎こばやしへいはちらうの墓のほかに名高い浦里時次郎うらざとときじろう比翼塚ひよくづかも残つてゐたものである。
本所両国 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
小春こはる治兵衛じへえの情事を語るに最も適したものは大阪の浄瑠璃である。浦里時次郎うらざとときじろうの艶事を伝うるにもっとも適したものは江戸の浄瑠璃である。マスカニの歌劇はかならず伊太利亜イタリア語を以て為されなければなるまい。
十日の菊 (新字新仮名) / 永井荷風(著)