津和野つわの)” の例文
鹿児島かごしま津和野つわの、高知、名古屋、金沢、秋田、それに仙台せんだい——数えて来ると、同門の藩士もふえて来たね。山吹やまぶき苗木なえぎなぞは言うまでもなしさ。
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
F君の言う所はすこぶる尋常に異なるものであった。君は私とは同じ石見人いわみじんであるが、私は津和野つわのに生れたから亀井かめい家領内の人、君は所謂いわゆる天領の人である。
二人の友 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
四年ほど前津和野つわのを訪ねたことがある。なまこべいの武士屋敷が両側にならんでいる。古格をこれだけよく保った町も珍しい。私はまた美しいこの通りを見たいと思った。
雲石紀行 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
石見の津和野つわの附近ではヤクビョウバナまたはドクバナ、あるいはニュウドウバナという村もある。
病院が手狭てぜまと見えて、お住いは小石川水道町すいどうちょうでした。召使を代えたいからとのお話で、旧津和野つわの藩の人の娘をお世話したことがありました。幾度か事細ことこまかな書面を下さるのでした。
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)
それ故に津和野つわのなつかし鴎外忌
七百五十句 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
石見の古い町といえば津和野つわのに誰も指を屈するでしょう。亀井藩で今も昔の屋敷が見られます。近くの益田ますだ雪舟せっしゅうの庭を以て名があります。しかしそれらのことはさておくとしましょう。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
聞いて見ると、その味噌は津和野つわのから來るといふ。
山陰土産 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
十六 津和野つわのまで
山陰土産 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)