洋犬カメ)” の例文
「さあ、正直にいえ。犬がどうした。犬と聞いて、貴様の顔色の変ったのがおかしいぞ。ハリソンの洋犬カメは貴様たちが殺したのか」
半七捕物帳:59 蟹のお角 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「何しろ英吉利ですからね、豪勢がうぜいな国でさ、お金が有り余つて、洋犬カメや三毛猫までみんな財産を持つてるさうですからね……それに事によつたら勲章が貰へるかも知れない。」
というのは、大川へほうり込まれた死骸のひたいには、犬という字が書いてあったとか云うのだが、横浜で死んだ女異人は洋犬カメに啖い殺されたのだそうだ。
半七捕物帳:59 蟹のお角 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
お角は帷子かたびらの両肌をぬいで、椅子に腰をかけて待っていると、やがて一匹の大きな洋犬カメがのそのそはいって来て、低く唸りながらお角に迫って来るのです。
半七捕物帳:59 蟹のお角 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)