“水蓮”の読み方と例文
読み方割合
すいれん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「池の水蓮すいれんは、今年はまあ、三十二も咲きましたよ。」祖母の大声は、便所まで聞える。「うそでも何でも無い、三十二咲きましたてば。」
帰去来 (新字新仮名) / 太宰治(著)
彼らはかたときもからはなれることなく、水蓮すいれんのそばをすぎたり、ふきあげのしぶきの下をくぐったりした。そのしぶきの中には美しいにじゆめのようにうかんでいた。
おしどり (新字新仮名) / 新美南吉(著)
小羊ラムの皮を柔らかになめして、木賊色とくさいろの濃き真中に、水蓮すいれんを細く金にえがいて、はなびらの尽くるうてなのあたりから、直なる線を底まで通して、ぐるりと表紙の周囲をまわらしたのがある。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)