毒薬どくやく)” の例文
旧字:毒藥
試験管しけんかんをならべ、毒薬どくやくとかかれた茶色ちゃいろのびんをとりあげると、試験管の中に、たらたらと、三、四てきえきをたらしこんだ。
きみ、あすこに、どくろのしるしのついただながあるだろう。さっきいった毒薬どくやくのびんが、あのなかに、はいっているのだよ。」と、ゆびさしました。
天女とお化け (新字新仮名) / 小川未明(著)
もうこれはんでもうしわけをするよりほかはないとおもって、つぼの中の毒薬どくやくして、のこらずべました。もうどく体中からだじゅうまわって、もなくぬでしょう。
和尚さんと小僧 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
毒薬どくやくをながした水の手へ投げこまれ、そのうえにまた、わしにくわえあげられて、千じん谷間たにまへ落ちていった竹童が、どうしてうんがいいんだか、こんなわからない話はない——という顔で。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この仏壇ぶつだんの下のつぼには、だいじなものがはいっている。かけはあめのようだけれど、ほんとうは、一口ひとくちでもなめたら、ころりとまいってしまうひどい毒薬どくやくだ。
和尚さんと小僧 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
それは、ぬだろう。しかし、もう置物おきものにされてふるいのだから、あてにならんが、それより、もっとおそろしい毒薬どくやくたことがあるよ。ただただけでは、つまらんしろこなさ。
天女とお化け (新字新仮名) / 小川未明(著)
毒草どくそう毒薬どくやくをひそかにながしこんでおいたのであった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
おそらくちょうどいまが毒薬どくやくのまわってきた時分——
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)